大判例

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東京地方裁判所 昭和36年(ワ)6759号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔事実と争点〕原告古庄浩、同和子の長男原告一成(当時六才四ケ月)は昭和三七年七月二四日午後三時ごろ品川区北品川二丁目一二五番地先道路上で、被告佐藤運転の原告機付自転車に背後から追突され、コンクリート路上に転倒し、頭蓋骨骨折の傷害をうけた。原告一成はこのため多大の精神上の苦痛をうけたからその慰藉料として金一五〇、〇〇〇円を請求する。原告浩、和子は一成の重傷のためこれ亦多大の精神上の苦痛をうけたからその慰藉料として各金一〇万円の支払いを求めると述べた。

判決は原告一成は本件事故により外傷はうけなかつたが、頭蓋骨々折の傷害と脳震盪を起しその治療のため同年九月一〇日まで入院し、その後しばらく通院して一応治癒したこと、将来何らかの後遺症があらわれる可能性がないわけでないがさし当りは特段の異常は存在しないことを認め、原告一成にたいしては一〇〇、〇〇〇円の慰藉料を認めたが、両親にたいしてはいずれも慰藉料の請求を棄却し、つぎのとおり説明している。曰く。(なお原告浩には財産上の損害として金一一五、四三五円の請求を認容している。)

〔判決理由〕次に、原告浩、同和子の慰藉料の請求を検討するに、原告浩、同和子が原告一成の父母であることは当事者間に争いがなく、証拠を総合すれば、原告一成は性格も優しく素直であり、原告浩、同和子の一つぶ種として両親の愛育の下に生活していたこと、原告浩は原告一成の負傷のため勤務先を休んで療養看護に努めたこと、原告和子は本件事故の衝撃で持病であつた心臓神経症の急性増悪をきたしたこと、原告浩、同和子共原告一成の後遺症に不安を感じていること、が認められるが、これと前記認定のとおりの原告一成の負傷程度、その治愈までの期間、その後の状態とを対比して考えると、以上認定の原告一成の身体傷害および原告浩、同和子が自己の権利として慰藉料を請求するには足らないと解するのが相当であつて、結局原告浩、同和子の慰藉料請求は失当として排斥を免れない。(吉岡進)

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